他のIRと基礎が違う理由

『他のダンスの先生と基礎が違うんですね』

これ、結構言われます。他の先生にしてみれば、寧ろやっちゃいけないやり方という人も。

じゃあ、他の先生の基礎のやり方は出来ないか?って言うと、やれます。寧ろ、先生のレベルによりますが、もっとゴリゴリにやれる自信はあります。

そもそも、基礎をダンスだけじゃない、いろんなジャンルの先生から学び、更に武術や整体などのエッセンスも入れて今の形になったんです。

5年や10年で出来たモノではないんです。自分の人生、幼少に学んでいて空手、やりたくて仕方なかった武術。それを研究した日々。自分の體だけでなく、人の体もアプローチするために学んだ整体。

その集大成の一つが『基礎動作』であり、その基礎動作の中にある身体操作です。

身体操作の中に『丹田』があり、その丹田を使って身體を操作します。

更に言えば、頸椎、胸椎、腰椎、仙骨…ややこしくなるのでここでは挙げませんが、骨を使う、筋肉を使う、呼吸を使う、重力を使う…その為に必要な体を造る、動き造る為の基礎なんですね。

一朝一夕のモノで作られたものではない。そして、一朝一夕で出来るモノでもない。

一朝一夕で出来るモノではないからこそ、簡単には抜けていかないのです。

この基礎は言語化できるか?

たまに『説明して欲しい』という希望を頂きます。

説明は可能です。ですが、理解が出来るかはまた別なんです。

理解が出来るのはある程度のレベルに達している人。ある程度のレベルに達している人、というのはある程度感覚が身に付いた人なんです。

鍛錬も何もしていない人が説明を受けても何を言っているか分からないのは当然なんです。

そして、鍛錬は感覚の醸成を最も重視しています。

感覚の醸成の後に理解することで、感覚がより鋭くなるんですね。

『わかっているんですけど、出来ないんですよね~』

こういう人は実は何も分かっていません(笑)

そもそも『理解する』の古語は心得(こころう)です。

心が得ることで、はじめて理解、悟ることが出来る。

ということは、頭でわかっていることなど、殆ど理解していない、という事になるんです。

言語化は可能。ただし、理解できるレベルは必要。そう云う事です。

心得までの道とは

心得までの道。これは果てしないようで、考え方によっては近道です。

それは一つ一つのモノを頭で分かって出来るようになるよりも、心得ことで圧倒的に出来るスピードが速まるからです。

確かに『心得』までの時間は相当掛かるかもしれません。

これって心得ってる?

そんな風に思う事も多く出くわす事でしょう。

特に昨今のYOUTUBEで情報が得られる時代、簡単に無料で直ぐに手に入れられる時代に生きている人たちにとってみれば、心得のは相当難しいかもしれません。

経験を積む、そしてその経験を深いモノにする。

その経験の質を深く出来るのはそういう場所に飛び込むほかないのです。

YOUTUBEを見て情報を知る事は出来ても、経験は出来ないのです。

情報を得る事のみを理解と捉えてしまう現代人。実は、何も得られていない。厳しいようですが、そういうことです。

心得の場所とは?

何処に行っても心得のは可能?

これは難しいですね。そういった指導をしている人は可能でしょうけど、形で指導している人は心得のは正直難しいでしょう。

たまに聴かれるんですけど、

『ちゃんとダンスを学ぶにはスタジオに行った方がいいんでしょうか?』

もう、聴いている時点でそっちの方がいいって分かっていると思うんですが(笑)

スポーツクラブやダンスサークルで『何か足らない、何か違う』って感じているからそういう思いが出る訳ですよね。

スポーツクラブで説明をしないのは、

1.フィットネスであり、スクールではない

2.説明できるレベルまで達していない人が多い

スポーツクラブの中にも一定数説明して欲しい方はいらっしゃいますが…

今は説明する場所を限定しています。尋ねられても、お答えできない旨をお話しています。

スポーツクラブでの限界を感じる瞬間ですね。

本当に全く違うのか?

全てが違うの?

と言われたら、ジャンルごとに共通点がありますし、どのダンスでも踊れる先生とは共通点しかない。

逆に、HIPHOPの先生とはあんまり共通点が無いですね。自分はHIPHOPですけど(笑)

HIPHOPで何故、違いが出てしまったかというと、それぞれの動作により精度を求めてしまったから。

各ジャンルには特性があり、その特性を追い求めた結果、HIPHOPから離れてしまった?という事です。

勿論、HIPHOPをやっていた経験は残っているので、今の基礎や他ジャンルの基礎を活かしてよりえげつないHIPHOPは踊れます(笑)

結局、体の使い方を追い求めれば、HIPHOPだけでは足らない、という事になってしまったんです。

最後に

ケガやパフォーマンスの面を考えれば、体の使い方を考えるのはマストです。

時間の事も考えれば、実技とトレーニングの差異が無いことも必要でしょう。

そして年齢等も考えれば、食事、生活習慣の必要性はパフォーマンスを必要としない人でも考えますよね。

食事や生活習慣はパフォーマンスに如実に出ます。食事はメンタル面にも相当な影響を及ぼしますからね。

生活習慣は雑、食事も好きに摂っている、自分の體の事を視もしない…

それでは言葉で説明しても心得事は出来ませんよね?

だから、伝える場所を選ぶようにしましたし、以前伝えていたところでも言語化はやめてしまいました。

場所によっては『ケチだ』『雰囲気悪くなった』という事もあるでしょう。

どれだけ伝えても、受け手側に受け取る準備がされてない以上、そこにフォーカスするのではなく、『準備出来ていないよ』『體を使えていないよ』『年齢関係なく、もっと體を使えるよ』というお知らせをするのが大事だし、それだけを伝えています。

そこからどうアクションするかは受けて次第。

きちんとやる人ときちんとやりたいと思っている人、全くそんなことを思わない人が一か所に集まる場所では言語化したモノは伝えられないので。(きちんとやりたいと思っている人のほとんどはやらない人だったりします)

スタジオに来る、しっかり学ぶ以前に、自分の體や生活習慣をしっかり見つめる。

まずはここからではないでしょうか?

自分の基礎の基礎から考えていれば、他のIRと違うのは当然かもしれませんね。

Posted by KIRINJI STAFF